はじめに〜80年代以降のアニメソングについての私感

また、すぐに企画倒れになりそうなものを立ち上げちゃいました・・・。

アニソンを聴き始めて4年。ガムシャラに聴き続けて参りましたが、めぼしい曲はほとんど聴いてしまいました。となると、記憶の悪いボクのことですから、せっかくなんで忘れないようにまとめておくか、ということになりました。こないだ自分の好きな曲をリストアップしていたら軽く500曲を超えてしまって、こうなると、どっかに書き留めておかないとかなりの曲が漏れてしまいそうなので。

そこで、どうせなら、1981年から今年までボクが好きな曲を年ごとに何曲かずつチョイスし、レビューをすることにしました。

アニソンを聴き始めてまだ4年しか経ってないというのに、20年以上のアニソンの歴史を論じようとは神をも恐れぬ所業ですな!しかし、ある程度まとまったアニソンのレビューというものはウェブ上にはまだまだ少なく、これだけ歴史のある大きなジャンルの割には非常に寂しい状況です。これはボクがアニソンを聴き始めた頃にぶちあたった問題で、ボクが困ったってことは他にも誰か困っているだろうということで、微力ながらボクの知っている情報をできるだけまとめることにしました。アニソンレビューのコーナーは既にありますが、どうせなら、デカい規模でやりますよ(そして、毎回頓挫)。


では、なぜ1981年から始めるのか?

思えば、70年代以前のアニソンというものは、作品の取り扱い説明書という側面が大きかったものです。

「砂の嵐に隠されて、コンピューターに守られた塔に住んでいる超能力少年が、3つのしもべに命令して、地球の平和を守るぜ!」

とか、

「さらば地球よ。運命背負い、今旅立ちますよ。必ずここへ帰ってくると手を振る人に笑顔でこたえて、地球を離れイスカンダルへ、はるばる臨みます」

等々。今日初めて見始めても曲を聞けば、もういきなり本筋に入れます。ここまで極端なくても、七五調で世界観を非常にわかりやすく伝える歌ばかりでした(山本弘によると童謡的)。主題歌というものは、アニメの中身を子供達にすり込みさえすれば、それでオッケーだったのです。もちろん、その徹底した作品構造が今では逆にフックになって、新鮮に映る場合もある訳ですが、曲調、歌手、作曲家全てが極端に職業的で、なおかつ絶対数が少なく、1曲1曲のインパクトはあってもジャンルとしての広がりは皆無でした。筒美京平が作曲担当しても、「サザエさん」になってしまうのですから。

その状況が変化する最初のきっかけが、「宇宙戦艦ヤマト」の劇場版じゃないかと。

テレビ放送時の「ヤマト」は、上に上げたように、軍歌のような明快な歌詞・曲調を主題歌にいただいていました。しかし、「ヤマト」は1979年公開の劇場版第2作目でエンディングテーマに阿久悠作詞・大野克夫作曲・沢田研二歌の「ヤマトより愛を込めて」という曲を用意しました。古代と雪が特攻玉砕したラストシーンで流れるこの曲は、生涯忘れられない衝撃を残しましたが、この曲には「宇宙」とか「イスカンダル」と言ったヤマトの見た目のコンセプトは全く出てきません。ただ、作品の根底に流れる「愛」や「別れ」や「ロマン」という印象を紡いだものだったのです。そして、紛れもなくこれは「ヤマト」の曲でした。「ヤマト」は、この後も岩崎宏美や布施明が主題歌を歌い、歌謡曲世界との融合を深めていきます。

続いて「999」の劇場版ではゴダイゴが洋楽オリエンテッドポップを歌い、24時間テレビの手塚治虫のアニメスペシャルでは大野雄二がフュージョン感覚溢れる曲を提供、劇場版やここぞという時のスペシャルアニメでは既に今までのアニソンの枠から外れた曲が用意されていました。更に、大野雄二が作曲をした「ルパン三世」という時代の遙か先を走る作品もありました。このような曲調の広がりは一般歌謡曲では既に70年代に移行した流れでしたが、70年代の終わりになってアニソン界もようやく追いついたと言えるでしょう。作品と不可分の「主題歌」から、作品を離れても曲そのもので主張できる「アニソン」という自律的なジャンルへ。そういう時代が、近づいていたのです。そして80年代は、そういう流れがオーバーグラウンドのTVアニメの世界で一気に拡大した時代になりました。

その先鞭が、「うる星やつら」だったとボクは思います。

高中正義バンドのキーボーディスト小林泉美によるオープニング曲・「ラムのラブソング」。一言もタイトルを言わない、登場人物も言わない。今までのアニソンでは聞いたこともないラテンアレンジのエレポップ。しかし、それはジス・イズ・うる星やつらという曲でした。「うる星」は今のオタク文化の素地を作ったと言われる作品ですが、アニソンにおいても、この「ラムのラブソング」から今に繋がるアニソンというジャンルが産声を上げたと言ってもいいと思います。

そして、その「うる星」の放映開始が1981年という訳でして。この年から、アニソンの様式は驚くほどのスピードで広がりを続け、果てにボクのようなアニメをあまり見ない人間にまでアピールするような一大ジャンルへと成長していくのです。

アニソン師匠・しーはつ氏の助けも借りながら、1年1年チミチミとレビューしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。事実誤認に基づく誤解・誤謬等がございましたら、是非お知らせくださいませ。