1998

この年を彩るキーワード
冬季オリンピック長野大会開催、和歌山カレーヒ素混入事件、サッカーW杯フランス大会、金融ビッグバン、北朝鮮のミサイル「テポドン」が三陸沖に落下、黒澤明死去、若貴史上初の兄弟横綱に、横浜フィーバー、キレる子供、タイタニック、ドリームキャスト、だっちゅーの、凡人・ 軍人・ 変人、老人力、冷めたピザ、バイアグラ
一般曲の主なヒット曲(国内)
夜空ノムコウ(SMAP)、タイミング(BLACK BISCUITS)、長い間(Kiroro)、HONEY(L'Arc〜en〜Ciel)、Time goes by(Every Little Thing)、There will be love there(the brilliant green)、誘惑(GLAY)
一般曲の主なヒット曲(海外)
My Heart Will Go On(Celine Dion)、 I Don't Want Miss A Thing (Aerosmith)、Believe(Cher)、Iris(Goo Goo Dolls)、You're Still The One (Shania Twain)、uely Madly Deeply(Savage Garden)、The Boy Is Mine (Brandy & Monica)

 

星獣戦隊ギンガマン
(星獣戦隊ギンガマン OP)
歌・希砂未竜 (コーラス:EVE)
作詞・藤林聖子 作曲・佐橋俊彦 編曲・佐橋俊彦

走れ!地球せましと駆け巡れ(ギンガマン)
走れ!荒野ゆさぶる風になれ(ギンガマン)
吠えろ!吠えろ!吠えろ!ギンガマン(ギンガマン!)


戦隊シリーズも22作目にして、ついに子門真人が主題歌初登板。
しばらくアニソン自体から離れがちだった子門だけに、この突然の復帰はショッキングでした(そして、今や時の人になったチェッカーズのモクがレギュラーだったのにも驚いた)。しかし公式には希砂未竜=子門真人という発表はなく、これ子門なの?子門じゃないの?
おれがあいつであいつがおれで?という論争は、当時普及しつつあったネット上をしばらく賑わせたのでした。
ディフォルメ的なその歌唱法だけで語られがちな子門ですが、この曲ではさらにベテランとしての円熟を加えていて、シャウトひとつをとっても重みを感じさせます。これまた子門が歌ってる英語バージョンもまたオツなもんで、後に平成ライダー主題歌でもお馴染みになる藤林聖子・佐橋俊彦コンビによる曲の力もあり他のシリーズにもひけをとらない傑作となりました。(は)




SUPER VOYAGER
(ビーストウォーズII 超生命体トランスフォーマー OP2)

歌・Cyber Nation Network
作詞・Cyber Nation Network 作曲・Cyber Nation Network 編曲・Cyber Nation Network

未来を切り裂く タフなハートで 
宇宙の果てへ突き抜けるVOYAGER 
どこまでも追いかけていたい


90年代のJ-POPよろしく、デジタル化の波はTWO-MIXをはじめむしろ親和性の高いアニソンへも押し寄せていたワケで、『Cyber Nation Network』もその波に乗っかったうちのひとつ。
とにかくパワフルかつヌケがよく、デジタルサウンドとよくマッチしたボーカルは後にもハレグゥの「LOVEトロピカ〜ナ」やマジレンジャーのED、「呪文降臨〜マジカル・フォース」などでも歌声を披露してるSister MAYO、その人です。負けじとハイテンションな曲担当の平間あきひこも、後にウェブダイバーなどを手がけたりとコロムビア系のアニソンには欠かせないメンツですな。(は)




THE REAL FOLK BLUES
(COWBOY BEBOP ED)

歌・山根麻衣
作詞・岩里祐穂 作曲・菅野よう子 編曲・菅野よう子

THE REAL FORK BLUES
本当の悲しみが知りたいだけ
泥の河に浸かった人生も悪くはない
一度きりで 終わるなら


エヴァの成功というのは、自意識の強いオタク達にとってかなり大きなものだったような気がする。

僕も『パトレイバー2』が公開された頃、「アニメは一番マトモに機能しているアートメディアだ」なんて言い出して、友達に寒い目で見られていましたが、エヴァぐらいに至ると一般の世の中でも広く受け入れられまして。特にエヴァのスタイリッシュな部分、例えば中折れ明朝が一般媒体でも流行したりするようになると、もうオタク界としては鼻高々というか。90年代初頭の底辺気分はどこへやら、「アニメってのはかっこ悪くない、いや、アニメってのは一番イケてるジャンルなんだ!」という普段から思っていたことに、大きな後ろ立てが誕生した訳で。

しかも、『攻殻機動隊』がビルボードのビデオチャートで1位になって「ジャパニメーション」なんて言葉がもてはやされるようになってくると、もういよいよオタク界のエスタブリッシュへの渇望ってのはものすごい訳で。「攻殻ぐらいですごいなんてゆってんの?大したことないねぇ」と、限りなくスタイリッシュ・ハイクオリティでオタクの先鋭性を誇示するようなジャンルが大きく成長することに。

そういうエヴァ以降のスカシ系・ハイソ系の初期代表作がこの『カウボーイ・ビバップ』ではないだろうか。非常に洗練された映像と音楽、かっちょいいストーリーでルパンのおしゃれな部分だけを煮染めたような作品であった。このサントラはよく聴いたが、もうアニソンらしいところ皆無。本気の本気。昔の「交響詩○○」みたい。そういえば、最近のアニメスタイルのインタビューで古参アニメーターの山下将仁が「面白いもの(自分が楽しいもの)を作ろうとするアニメ」と「いいもの(他人に評価されるためのもの)を作ろうとするアニメ」の違いを話してましたが、ハイソ系のジャンルはそういう「いいもの」の最前線と言えるでしょう。オタク界はエヴァ以降、「オタクが一番」とある意味開き直りの時代に入ったような気が。岡田斗司夫がその昔、ネガティブな状況で敢えてオタクを叫んだのとはまるで違いますな。(P)




プルメリアの咲く場所へ
(LEGEND OF BASARA ED)

歌・中山加奈子
作詞・中山加奈子 作曲・中山加奈子 編曲・佐久間正英 中山加奈子

プルメリアの咲く夢見た場所へ
あたたかい朝に辿り着くまで
風よ邪魔するな 凍えた人を 両手でつつんで空へと還せ


前年のいわゆるポケモンショック以降テレビ東京の規制が厳しくなり、また広告代理店などが制作費をピンハネする中間搾取が少ないことから地方局発のアニメが始まるようになり、今ではかなりの本数が放送されてます。
その先駆けとなったのが別コミ読者だった自分にゃーお馴染み、田村由美原作の『LEGEND OF BASARA』。話の方は1クールでおさまるわきゃなかったんですが、番宣CMでも再三流れてたこの曲はよかった。元プリンセス・プリンセスで解散後ソロ活動を始めた中山加奈子の、骨太な曲もボーカルも作品世界とはすごぶる親和性が高く、願わくばまたぞろアニソンを歌っていただきたい。(は)




シンシア・愛する人
(アキハバラ電脳組 ED)

歌・岡崎律子
作詞・岡崎律子 作曲・岡崎律子 編曲・光宗信吉

君になにひとつも 心配がないように
祈ってる 邪魔するもの それにやられないように
君は汚れないで 陽だまりの道を行け
まっすぐに こうと決めたら迷ってはだめだよ


これまで歌年鑑で書いてきた通りこと音楽に対しても確固たるコンセプトが貫かれていたエヴァやウテナに対し、スターチャイルドレーベルの大月プロデューサーが企画から立ち上げボーカルやドラマCDがしこたま発売される、スターチャイルド商法の集大成的な展開を見せたのが『アキハバラ電脳組』。雅美節全開のOP「Birth」、EDの艶めいたバラード「太陽の花」を始め幾多の名曲で作品を彩った奥井雅美は、まさにこのアニメがピークでした。
そんな中、「シンシア・愛する人」でひさびさにアニソンへと戻ってきたのが岡崎律子。心の琴線に触れまくる、おなじみのウィスパーボイスとその繊細は曲は『エヴァ後』の時代の気分には素直に受け入れられたのか、これ以降もアニソン界に足跡を残していきます。90年代の上昇気流に載ってイケイケノリだったアニメ界も、やっと岡崎律子を許容する懐の深さが生まれたと言うべきか。

……が、肝心のアニメは
あんまウケなかったんですよコレが!今話題になるとしても、作品的な評価以前にピーキーなキャラクターデザインが災いしてか作画が崩壊してたことくらいですわ。
思えばエヴァはそこらの兄ちゃんもあっさり転ぶくらいツカミはばっちりだったんですが、その後のアニメはエヴァの様式的なものは真似ていても決してその敷居は低くなかった。作品数の増加と細分化の流れの中ヒットはなかなか生まれず、やがてオタク界でのメインストリームもエロゲにとって変わられていきます。(は)




Catch You Catch Me
(カードキャプターさくら OP2)

歌・グミ
作詞・広瀬香美 作曲・広瀬香美 編曲・本間昭光

ほら Catch You Catch You
Catch Me Catch Me 待って
こっちをむいて スキだといって
そう Nice to Meet You Good to See You きっと
私の想い あなたのハートに 飛んで飛んで飛んでいけ
迷わない


上のような「開き直り」の流れに、インターネットの普及が大きな後押しになってことは言うまでもない。内弁慶のオタク達の心の空洞を強力に埋めるウルトラメディア・インターネットはエヴァ論争の辺りから急速に成長、パソコン通信時代のサロン的な雰囲気とは全く違うカオス世界を構築。2ちゃんねるはまだ生まれてなかったが、この頃から自分自身をネタにするテキストサイトが急増。ネットなら自分の趣味をどれほど赤裸々に語ろうが、リアル社会での立場に何の影響もない。幼女を大々的に好きと言ってもいいんだ!しかも、ネットはひたすらネタの強度が勝負。誰かが「オレは中学生が好き」と言ったら、もう次は「小学生が好き」と言うしかない。そうして、インターネットでの話題は、オタクジャンルの周辺を加速度的に広げながら爆発的に拡大していく。ネットでのモラルクラッシュはリアル社会にも染みだし、電気街アキバはあっという間に萌えシティに変貌。ビルのてっぺんに幼女、街のポスターも幼女、どこもかしこも萌えだらけ。どうなってんだこりゃ。こういう世の中でアキバに参戦する少年少女達は、僕らの世代のような後ろ暗いところはまるでなく、積極的にネタを探し、オタク生活を謳歌。いつの間にやら、オタクはヲタクという名前に変わっておりました・・・。

そんななか、ネットを中心に新しいヲタク層に大々的圧倒的最強的に受け入れられたのが、この「さくらたん」。萌えと言えばこの番組、というぐらいの代名詞的作品。2ちゃんねるの実況版では再放送でも板のサーバーが落ちてしまうほどのカキコを呼び込むバケモノ番組ですが、一応、何話か見ましたけど、何か後期名作劇場を更にゆる〜くしたような温い世界で・・・何がええのかさっぱりわからん!しかし、ネットでは「さくらかわいいよさくら」の合言葉の下に男共が一致団結。かつての『ミンキーモモ』ってこんな感じだったのかな・・・。

ただまあ、CLAMP作品の例に漏れず、主題歌はみな優秀でした。坂本真綾の3rdOP「プラチナ」やこじまめぐみの3rdED「FRUITS CANDY」なんかも好きですが、やはり1stOPですかな。優しい曲調と空を高く飛ぶようなメロディーが魔法少女ものの主題歌らしい良作。メロキュアの「1st Priority」とすごく近いものを感じたので、てっきり日向めぐみ作曲かと思ったら広瀬香美なのね。(P)




禁断のパンセ
(SILENT MOBIUS OP)

歌・石塚早織
作詞・田久保真見 作曲・井上大輔 編曲・須藤賢一

禁断のパンセ 愛する意味を
さがして誰も傷つくの
名前もなき堕天使たちよ
祈るように踊れ


「近いものを感じた」と言えば、僕はこの曲を聴くとものすごーく「残酷な天使のテーゼ」を思い浮かべてしまうんですが。この話をする度にけげんな顔をされてしまう。でも、やっぱこれは似てると思うけどなぁ・・・メロディーは違うけど、構成とかアレンジとか、ブレイクの入り方とかそっくりやん。

でも、それだけ井上大輔の腕が素晴らしいということになるのかも知れない。本当にこの曲も良い曲だもんなぁ。さすが巨匠だね。もしかしたら編曲者の一存かも知れないけど。(P)




DUVET
(serial experiments lain OP)

歌・BOA
作詞・Jasmine Rodgers 作曲・BOA

And you don't seem to understand
A shame you seemed an honest man
And all the fears you hold so peak
Will turn to whisper in your ear


上で書いたような「開き直り」に基づく「萌え」と「ハイソ」へのジャンルの周辺拡大はアニソンに関しては非常に好影響を与えた。

作風の拡大と徹底はそれに合わせる主題歌に関してもバリエーションの広がりを呼び、この年辺りからアニソンは再び黄金期に突入。バラエティに富んだ名曲が多数生まれることになる。もっとも、80年代とは違い、今やアニメの中心部はタイアップが幅をきかせ、活況は周辺部に限定されていたというのは残念なところだが・・・。

この曲は、小中千昭作のいかにもエヴァ以降のアニメという感じの陰鬱でスタイリッシュな作品のOP。あの韓国アイドルBOAの曲だと最初は騙されていたが、全然違った。BOAはイギリスで1993年に結成されたバンド。日本のレコード会社と契約し、外国バンドなのにアニメタイアップでシングルデビュー。UKバンドらしい、湿り気のあるメロディーとケルト系の歌い回しが、深夜アニメ向きの叙情を醸し出す。ギターのハーモニクスが中期クリムゾンっぽくってまたいいんだ。こんな曲を合わせても大丈夫な作品とは、アニメの地平も広がったもんだ。(P)




IN MY DREAM
(ブレンパワード OP)

歌・真行寺恵里
作詞・真行寺恵里 作曲・真行寺恵里 編曲・伊藤真一朗

In My Dream 赤い薔薇の花
部屋中にいっぱい敷きつめて
シルクのベッドで 愛し合おう朝まで
I can't get enough your love


エヴァ以降に巻き起こった「周辺アニメ」ブームの最先鋒を走っていたのが、WOWOW。『ネオランガ』や『MAIKO2010』から始まる無料アニメ枠を大々的に用意し、ボクらの時代のよみうりテレビに続くアニメ好きチャンネルとしての地位を確立。この時期の殺傷事件の影響で、地上波では規制が強くてまともな放映がされなかった『COWBOY BEBOP』の完全放送も成し遂げた(でも最近ちょっと元気ないか?)。

そのWOWOWが初の自社制作作品として作った有料コンテンツが『ブレンパワード』。久々の富野登板に、いのまたむつみと永野護がデザイン参加するというものすごいプレミアム感の作品。だったのだが、全裸の女がビュンビュン飛び交うオープニングの時点で恐ろしく人を選んでしまい、ほとんど話題にならなかった(ような気が)。仁王立ちの裸の女の、何と醒めさせること。こんだけ裸の女が出てくるのに、一つもエロの匂いをさせないってのも、さすが富野としか言いようがない。歌もせっかく良いんだけど、映像のインパクトが強すぎて・・・。とにかく展開メロディーともに激しいハードロックで、最後の転調はもう血管が切れるのではないかという、ハイテンション。カラオケで原調で歌える女の人がいたら、是非聞いてみたい。(P)


むしろ今となっては、アラーキーが撮った花のスチルを散りばめたEDにエロティシズムを感じるのは大人になった証拠でしょーか。BGMとしては主張しすぎてる感がある菅野よう子の曲も、ボーカルにKOKIAを迎えしっとりとしたEDは相性抜群でした。
インタビューによると、ブレンのOPは骨格の段階から肉付けし組み立てられてるいのまたデザインに感激した富野が、それを魅せるためオールヌードを選んだようです。いのまたむつみに対して「
あなたの描く絵は本当に大嫌いなんですけど」と口ではケンカ売ってたカントクも、さすがにわかってらっしゃる。「キャラクターを作る上で、肉体が見えていないと服なんか着せられない」という富野監督の言葉には、劇中でも何度と無く『オーガニック的』という言葉で表現される生命、身体感覚と通じるものを感じたり。
いや〜、ブレンにはワケわからんし作画もアレだけどとにかく続きが見たくなる異様な魅力があって、近年の富野作品中でも実は大好きなんですよ。
だって、ブレンは空を飛んでんだもの!(は)




メタモルVのうた
(ひみつ戦隊メタモルV OP)

歌・佐倉さおり
作詞・遠藤正二朗 作曲・宮内信子 編曲・勝又隆一

あなたの街にもいるよな女の子
よくあるかわいい顔した 普通の女の子
とびきり 元気で クールで 優雅で
おどおどしてたり 意地っ張りだったり


ゲームの世界でも特撮ライクな戦隊ヒーローものはありがちなネタなんですが、安直な発想だけにまーほとんどロクなのがありませんわ。
しかし『愛の戦士レインボーマン』などの川内康範作品を思わせる怪奇ムードが横溢する、狂気のバイオレンスギャルゲー『マリカ〜真実の世界』を世に問うた鬼才・遠藤正二朗は違った。ギャル戦隊モノと見せかけつつ、主人公の娘からして自己紹介で
「好みのタイプは岸田森!」とのたまうような濃ゆい濃ゆい作風の『ひみつ戦隊メタモルV』は、まさに期待を裏切らないデキ。主題歌も『Aランクサンダー』で子門真人を起用し、稀代の毒電波『魔法の少女 シルキーリップ』をも手がけた遠藤正二郎だけあって、ヒーローモノと変身少女モノのノリを同居させながらただのパロディに終わらない完成度でした。
きょうび本家の戦隊ですらやんないような、歌詞に5人のカラーを盛りこんだメランコリックなED「メタモルVよ永遠に」ともども隠れた名曲。(は)




ふたり
(ふたり暮らし IM)

歌・田村ゆかり
作詞・有森聡美 作曲・大野克夫 編曲・大野克夫

初めて逢った日から 胸が騒いでキララ
どうしてこんなになぜ 運命はクエスチョン
これが恋というなら 未体験のことばかり
甘いキスをもっと せがんだり奪われてたり


『ヤマト』『エステバン』『チェンジマン』『名探偵コナン』と、メインを張る時はことごとく良い仕事をする少数精鋭仕事の大野"ザ・スパイダース"克夫。

しかし、なんでこんな番組に降臨しているのか・・・。番組については全然知らない。「ワンダフル」のなかでやっていた作品らしいです。なんかよくあるちょいお色気系の話のようですが。しかし、主題歌はものすご良くて、例のコナンのテーマ曲を思いっきりスローにしたようなロマンチックな旋律を持つ曲。この番組のもう一つのイメージ曲の「恋は魔法」ともども、非常に垢抜けた"おしゃれなマチネー"という感じのスローソング
で、田村ゆかりも声優ソングとしてはかなり上出来な曲をもらったものだ。まあ、僕も大野克夫を辿っていて出会った曲で、ほとんどの人は一生聴くこともないと思いますが、もし、何かの拍子で聴く機会があれば是非是非。(P)



POWDER SNOW
(WHITE ALBUM ED)

歌・あっこ
作詞・須谷尚子 作曲・下川直哉 編曲・下川直哉

今でも覚えている
あの日見た雪の白さ
初めてくれた口唇の
ぬくもりを忘れない I still love you…


最近はエロゲのサントラもごくごく普通に発売され、なかにはゲームの初回特典としてサントラが付いてる場合があるぐらいに、エロゲにおける音楽の比重ってのはどんどん高まってきてます。最近では同人ゲームの主題歌でも結構オツなのがあってビックリする訳です。僕はアニメに手一杯で、ゲームの主題歌にはなかなか手が回らないのですが、美少女ゲーム系の主題歌で一曲と言われたら、やはりこの曲しかないでしょう。

この曲はリーフが前年の『To Heart』の次に出した作品『White Album』の曲で、作品自体はエロくなさそうなんでやってません!が、この曲はカラオケで人が歌っているのを聴いて、もう感動してしまいました。言っておきますが、男が歌った歌ですよ、男が歌った歌。女声曲を男が歌ってもこんなにいいんだから、原曲はもっといいんだろうと思ったら、やっぱりものすごく良い曲で、それ以来ずっとプレイリストに入りっぱなし。めっちゃベタなバラードなんだけど、非常にあざとい情感と甘ったるいメロディーがもうたまらん。思えば、リーフは音楽とシナリオだけでトップに上り詰めたブランドで、オタク的嗜好にあった音楽には滅法強い。作品内容が遠距離恋愛のネタで、またこういう前提に弱いんだよなぁ・・・。(P)




碧の十字架(クルス)
(AIKa Special TRIAL OP)

歌・岸恭子
作詞・岸恭子 作曲・渡部チェル 編曲・渡部チェル

怯えた瞳の子羊になど 私はなりたくないの
何かを信じて誰かを救えるほどの 余裕な心じゃなくても
運命に逆らう時 変わる歯車もある
諦めることなんてできない


『うる星』でも女湯のシーンを1人で延々描いておったという女体アニメーター・西島克彦。とにかく女体さえ描いていれば幸せ、いや、女体を描いてないと死んでしまうのではないかという氏の監督したパンモロアニメ(パンチラではない)『Aika』。僕は、姉妹作の『ナジカ電撃作戦』の方がリアルタイムですが、とにかくもう、「エンターテインメント」の一言。ヘタにポリシーとか題目がない分、爽快そのもののエロ。腰島胸彦氏は現在はエロアニメにも進出して、十年一日のムチムチ好きを発揮しております。ある意味職人だね。

ダーティペア以来の伝統として、こういう女性エージェントお色気活劇には「臭み消し」のおしゃれな曲が付くもの。SPECIAL TRIAL版主題歌のこの曲は本編の主題歌よりも良い曲で、非常に威勢のいいレトリック満載の歌詞に、キン肉マンII世の「HUSTLE MUSCLE」の渡部チェルが非常にハイエナジーかつオシャレっぽいブラス曲を提供しております。もっとも、大野雄二なんかと違って、決して本当のオサレ曲ではない。ナジカのチェイス風へっぽこブラスといい、この濃厚なB級感がむしろアニソンっぽく、この番組には合っている。(P)




Dearest
(機動戦艦ナデシコ The prince of darkness ED)

歌・松澤由美
作詞・有森聡美 作曲・大森俊之 編曲・大森俊之

あなたの声 あなたの髪、もしも
千年たって 会ってもまだ覚えてる
星の数ほど あの日の事 未来(あした)の事
もっと想い出下さい 私はあなたを消せなくて
Forever Full up My love


お客様100%神様番組ナデシコの劇場版。ここに至っては元・メインヒロインのユリカは全然出てこず、主人公とルリルリにロマンスまで誕生させてしまうという割り切りぶり。どうにもすごいね。
この映画の主題歌はもうテレビCMの時点で「良い曲だなー」と思っていた。この曲が最後に流れると思っただけで、尻切れトンボな映画も全然気にならなかったな。非常に起伏の少ない曲を乾いた歌声で綴ったバラード。シンプル至極な曲にも関わらず、なぜか心を打つ切なさ爆発の名曲。松澤由美と大森俊之、この時期ヴァリューが最も高まった2人の、最高の瞬間。(P)




ウルトラマンガイア!
(ウルトラマンガイア OP)

歌・田中昌之、大門一也
作詞・康珍化 作曲・松原みき 編曲・大門一也

ギリギリまで頑張って
ギリギリまで踏ん張って
ピンチの ピンチの ピンチの連続
そんな時 ウルトラマンが欲しい


平成ウルトラマン主題歌では、この曲が一番。
歌詞が最高。僕はこの番組をリアルタイムで見ていなかったんだけど、九州に行った時にウルトラマンのショップに行った時、みょ〜に店内で流れている曲が気になってしょうがなかった。「ぎ〜りぎりまで〜がんばって!ぎ〜りぎりまでふんばって!」「そんな時、ウルトラマンが欲しい!
」何だかよくわからんが、妙にそうかそうかと頷いてしまう曲で、うちに帰ってすぐに調べてみると、ガイアのオープニングだった訳で。思いっきりウルトラマンを欲しがるヴォーカルの主は、大門一也とクリキンの田中昌之。ボーカルはほとんどが大門一也で、非常に明快かつ力溢れる名主題歌に仕上がっている。(P)



LABYRINTH
(聖ルミナス女学院 ED)

歌・ALI PROJECT
作詞・宝野アリカ 作曲・片倉三起也 編曲・片倉三起也

Flyin' to my Dream
ひとりじゃないこと あなたの胸で はやく教えて
呼びつづけて 私を


今やテレビ東京を始めとして各局で連夜放送されている深夜アニメも、元々はエヴァの再放送がきっかけで火がつき始め、その本数が増えるにつれPEROさんも書いてる通りアニソンのバリエーションも広がりつつありました。
中でも、かつての松田聖子を彷彿とさせる硝子のように透明感溢れるボーカルに、それを引き立てるようなメロディーの「LABYRINTH」は実写の映像ともあいまって、ちょうどバイトから帰ってきてはぼけ〜っと深夜アニメを見てた当時の自分には訴えかけてくるモノがありました。
ALI PROJECTは翌年のCLAMP版ああっ女神さまっ『Wish』のラジオドラマでも変わらぬポップな曲を披露し、その後のアニソン界でも現在に至るまで活躍してます……
がっ、まさかゴスっ気満点・耽美と退廃に浸りきった今の路線がその本性だったとは気づかなんだ。また気が向いたら、たまにはこんな曲もやっていただきたく。(は)



これを恋と云えましょうか-ガウルバージョン-
(ジェネレイターガウル ED)

歌・ヨシンバ
作詞・吉井巧 作曲・吉井巧 編曲・ヨシンバ

蒸かしたての昼下がりに
風にゆれる 白いシャツが
ゆらゆらと時間を包んだ


これまた深夜アニメ勃興期の作品のひとつ。
疾走感溢れるサウンドと乾いたボーカルが織りなすOP「I WANT OUT」は、いかにもタツノコプロが送るヒーローものに相応しい一曲。対してED「これを恋と云えましょうか」は一転してゆったりとしたフォークソングで、パステルタッチで描かれた紙芝居調のトボけたような絵ヅラといい、ちょっぴり寂しい気分になる深夜アニメのラストをしめくくるにはオツなナンバーでした。
…が、さすがにテッカマンブレードから続くタツノコハードヒーロー路線も『The Soul Taker〜魂狩〜』まで来るとこの手の話はもうええわ、とすでに食傷気味で、その後の作品も微妙だったこともあり自分の中ではこれが最後のタツノコアニメというポジションです。(は)



夏気球
(ポポロクロイス物語 OP)

歌・大塚利恵
作詞・大塚利恵 作曲・大塚利恵 編曲・石川鉄男、大塚利恵

だれよりも自由に 夢もためらいも
いつか君の背中が 曲がらないように
どこまでも連れて行ってよ
夏気球に乗って


僕がアニソンを聴き始めたのは、上京した99年から。しかし、今まではフツーの曲ばっかり(でもないが)聴いていた僕がいきなり『鋼鉄天使くるみ』を良いとは思えない訳で、最初はやっぱり折衷的というか、一般曲の拡張として捉えられる曲から入った。ご多分に漏れず、坂本真綾や菅野よう子を、そのとっかかりとしていたのです。そして、やっぱり最初にアニソンの良さとしてググーと来たのは、その叙情性。一連のジブリのエンディング曲が一般曲のなかで独特の地位を確保しているように、アニソンの持つ叙情性というのは非常に特殊で、誰もが持っている子供時代や青春時代のイメージを蘇らせてくれる。

そのアニソン聞き始め初期にハマった曲群の一つがこの曲で、そういうアニソンならではの切なさや少年時代のノスタルジー満載の作品。声も音も歌詞も一般曲の基準で言うと非常に特殊で、そういうアレンジの多様性からくる豊かなイメージに加えて、子供・少年向けに放たれるメッセージの普遍性とそれが引き起こす、ある種の想い出。それらが僕をすっかりアニソン好きにしてしまったのです。(P)




詠人
(おじゃる丸 OP)

歌・北島三郎
作詞・大地土子 作曲・大地土子 編曲・宮崎慎二

まったり まったり
まったりな
急がず あせらず
まいろうか


シーンの中心との親和性が弱く、どこを切ってもその人そのものである大地作品。個人的な先入観では、業界内の立ち位置がクドカンに通じるものを感じるんですが・・・。そんな大地カントクの、多分初めての老若男女に愛されるヒット作品が『おじゃる丸』、今までのハイテンションのかけらもなく、まったりとかわゆいだけで延々と続いてしまうこの番組。とにかく面白い。かわいい。3期ぐらいまでは全話見ちゃったよ。全てのキャラクターが変人で個性的であるのに、世界は全くもって正常でストーリーはほとんどベタ。クレしんのような懐の深い作品で、長期シリーズになったのもうなずける。

そして主題歌は北島三郎。大地作品は富野作品と並んで主題歌チョイスが個性的だと思うが、この主題歌も、サブちゃんによるまったり賛歌。ほんとに、まったりするしかない曲ですわ。EDのおじゃる丸によるプリン賛歌、「プリンでおじゃる」もかわいくてお奨め。(P)




GO GO!爆外伝
(ボンバーマン ビーダマン爆外伝 OP2)

歌・マキ凛子
作詞・小玉優二 (作詞補:里乃塚玲央) 作曲・河野陽吾 編曲・河野陽吾

立ち上がれ!
いますぐに!
迷っている時間はない
勝利を信じて


何だか未だに新シリーズが放映されているビーダマン。それどころか、ビーダマン自体の歴史はもう既に10年以上。ビー玉でなんでこんなに長いこと引っ張れるのか・・・しかしまあ、僕が子供の頃もビー玉が流行った時もある訳だし(油玉とかでね)、そういう意味では永久不変に続くものとも言えるのかも知れないけど。それにしても、すごい。

しかし、このシリーズも歌がいいんだよねぇ・・・もうこの曲とか超燃えるよー。おなじみ河野陽吾の暑苦しい曲を、"演歌歌手"マキ凛子が歌う。僕は基本的にこういうJAM Project系の曲を、フツーの女性の声で歌うっていうバランスが好きでして。これを松本梨香が歌っても全然面白くない。しかし、マキ凛子は演歌歌手らしいが、元々はフツーの歌手だったので全然こぶしギュワーンという感じじゃないな・・・。そもそも、この番組の初代OPを歌っていたのもオーロラ輝子こと河合美智子な訳だから、歌手のチョイスも「なんちゃって演歌歌手」というコンセプトだったのかも知れないな(どんなコンセプトだ)。(P)




目覚めた勇気
(新世代ロボット戦記 BRAVE SAGA OP)

歌・白神直子
作詞・畑早苗 作曲・桑原芳郎 編曲・桑原芳郎

瞳をそらす弱さを 超えた熱い想いは
目覚めたての 僕の勇気
光る 未来 この手でつかもう


このゲーム、ぶっちゃけると勇者シリーズ版のスーパーロボット大戦なんですが、この主題歌は本家に勝るとも劣らない名曲でした。前向きで力強く、それでいて女性ボーカルが栄えるこのノリはまさに勇者シリーズ主題歌の魂を受け継いでます。
爽快なボーカルの白神直子は舞台をメインとし、最近では『厳窟王』に出演したりとたま〜に声優や歌モノを手がけているようで、アニソン関連を歌ってるのはこのシリーズくらいだったりとちともったいない話ですな。
ゲームのマイナーさともども惜しい。(は)