アニソン遍歴時代 (後編)


そんなこんなで無自覚なまま90年代オタ文化にどっぷり浸かって青春謳歌していた自分でしたが、その終わりは突然訪れた。
いつものようにニュータイプを読んでると、あのガイナックスの新作発表が!なんか前衛芸術と闘ってる悪そうなロボや、さわやかさん(に見えたんだ、初期設定だと)なパイロットの少年少女がイメージボードに描かれたその新作、『新世紀エヴァンゲリオン』にはいやが上にも期待感を煽られまくり。古くは模型情報の裏表紙に広告が載ってた『愛国戦隊大日本』や『八岐大蛇の逆襲』などのDAICON FILM作品から始まって、トップやナディアも延々と追っかけてた自分はさっそく一話からTVにかぶりつきで見始めたわけで。
その後は当然、すっかりハマって毎回見終わってからは友人と大感想大会という当時の典型的なオタらしい行動パターンに。しかし25話にして突然雲行きが怪しくなり、迎えた最終回は(アフォのくせに)潔癖だった高校生にとってはショックすぎる内容でした……
うわあぁぁあボクの気持ちを裏切ったな!って、裏切られたのはこっちの方だっつーの!とさっそく友人に電話して不満をブチ撒けた後は、しばらく虚脱状態でしたわ。
これですっかり憑き物が落ちた自分は、エヴァどころかアニメというジャンルへの情熱自体すっかり冷えきる始末。むしろ放送終了後に世間ではエヴァブームに火がつき、バイト先のどノーマルな先輩までが綾波綾波うるさかったのに対しても冷ややかなまなざしを投げかけていました。(おかげでよくありがちな、一般人はアニメなんか観ないんだよ!みたいな選民思想的オタ評論は120%信用してませんが)
いや〜、今思えばブームにのっかってもっと騒どきゃよかったというか、傷口を広げずによかったというか、複雑な気分ですな。コレを読んでる20歳前後の多感な時期な若人諸君(いるのか?)もネットでお寒い評論家を気取るより、なんでも盲目なくらい夢中になった方がきっと将来忘れられない想い出になるよ!良くも悪くも!

そんなわけでアニメからはすっかり足を洗ったものの、捨てる神あれば拾う神ありかその後新しくできた友人がアニソンのオーソリティーで、そっちの知識だけはさらに再強化されることに。また90年代に通信カラオケが普及し始めたことで、アニソンを「歌う」環境もでき結局ずぶずぶと深みにハマっていくのでした。
しまいにゃ、人から受け継いだとはいえこんなサイトまで運営する始末ですよ。こうなりゃ一生つき合うハメになるのは確実ですな。

と、これまで長々とトラウマ開陳におつきあいいただいてすんませんでした、
これからも『アニメ特撮青春歌年鑑』ともども何卒よろしゅうお願いします。
(完)



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