2005年総評(しーはつ)

今年のアニソンにおけるトピックスと言えば、『ハッピー☆マテリアル』を巡る一連の騒動を抜きにしては語れませんな。
事の経緯を説明しておくと、『魔法先生ネギま!』の主題歌『ハッピー☆マテリアル』は月ごとにアレンジと歌手(声優)を変えリリースされ、そのいずれもがオリコン上位に喰いこんでました。
これに対し、森山直太朗がJ-WAVEで「あー、アキバ系のやつだ。あのー、これね、無くなってほしいですね」と発言。(余談ながら、今となっては『オタク』自体くくりとしておおざっぱすぎる言葉なのに、アニメからグラビアアイドルなどの三次までごっちゃにした『アキバ系』はさらに使いづらいと言うか。アニメとアイドルファンが近しかった80年代ならまだしも)
森山直太朗くらいビッグだったらアニソンなんかほっといてくれよ〜と思うんですが、以前からアレな言動はよくあったんでこのくらいはむしろおとなしい方かもしれませぬ。
その後に続くように、菊地成孔もラジオで『ハッピー☆マテリアル』のCDを踏んづけたり再生速度を落として遊んだりと、坂本真綾の『ループ』ともどもいいようにネタにしてました。(しかし坂本真綾に関しては上司からチェックが入ってかあっさり謝罪、『ハッピー☆マテリアル』についてもその後は急激にトーンダウンしていったりと、この件でいつもの調子でしゃべり倒す菊地成孔を見たかった自分としてはガッカリ)
これに対する反発から、2ちゃんで火がついて「『ハッピー☆マテリアル』をオリコン1位にしよう!」というキャンペーンが始まったのはよく知られてる通りです。
PEROさんはこの件に関して「エロゲソングでも1位にするほうがネタとしてはおもろいんちゃう?」と言ってましたが、そういう背景があったわけで(しかしウソから出たマコトか、ほどなくしてエロゲソングがデイリーとはいえオリコントップ10入りを…)。
この件に関してはImpressなどネット上では広く取り上げられたものの、あたりさわりなくキャンペーンの概要だけが伝えられ、その背景まで理解されていたとは言えなかったのでここにまとめておきます。
今回のキャンペーンでは、ランキングで露骨になかったことにされたりと音楽番組におけるアニソンの扱いの悪さが指摘されていましたが、これについては他局の番組の宣伝になるので大々的に扱えない……と思ってたら『HEY!HEY!HEY!』に水樹奈々が出演した時、『リリカルなのは』の映像もデカデカと流れて悶絶。ま、それを言ったら90年代J-POPのメガヒット曲もドラマやCMとのタイアップとは不可分だったわけですが。
またカウントダウンTVなんかはPVをタレ流してるだけなので、静止画の宣材画像が流れただけだったハピマテも適当な声優PVでもでっちあげとくべきだったと思います。スクールランブルのコスプレして歌ってたゆうこりんのごとく。
Gacktに至ってはノーマルスーツ着てガンダムMkIIに乗りこんだあげく、最後にゃ撃墜されるというステキなPVを見せてくれたというのに。

今年はこれまでメインターゲットとしてきた20歳前後の女性層自体が少子化で減少しつつあり、タイアップの効果も薄れJ-POPの商法そのものが行き詰まる中、ハピマテ以外にも『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主題歌などアニソンの好調なセールスが注目された一年でした。
が、これまで軽視してきたツケが回ってきたのかこうしたマスコミも含めた音楽業界と受け手側と、互いのギャップは埋まらず深まる一方でした(まだしもオリコン別冊で林原めぐみを取り上げてたエヴァ当時の方が、わからないなりにもなんとか追っかけてみよう、という気概は感じられた)。
まー、個人的にゃーもうほっとけ!と言いたいのですが。


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