アニソン遍歴時代 (中編)
丁度この頃(80年代中盤)はCDが発売され始め、レコードやらカセットテープに比べたら音は劣化しないし(つーか、これまでのはメディアそのものが痛む)頭出しも一瞬で、こりゃ夢のメディアだ!とごっつい勢いで普及しはじめた時期でした。
同時にプレーヤー自体も低額化していって、自分も中学になると兄貴のお下がりでCDミニコンポを手に入れてたり。
それまでのオーディオセットと言えば高価なもので、昔はうちにものび太のパパが買っ(て、近所迷惑になっ)たような『安物でない巨大レコードプレイヤー』がありました。 (しかし、それでレコード自体を聞いた記憶は皆無)
このCD普及化の波はアニソンにも及び、それまでの主題歌やサントラだけでなく(どうでもいいような)ドラマや声優のアルバムがしこたま発売されるようになり、同時期にビデオデッキの普及で火がついたOVA人気とも結びついて、いわゆるメディアミックス攻勢が始まります。
おかげで昔は宇宙戦艦ヤマトの自転車なんかだったアニメ誌の広告も、CDやOVAのCMであふれかえってましたわ。
80年代後半〜90年代前半にかけては、それまで主流だったアニメや特撮のみならずTVゲームやライトノベルなど多ジャンルに渡ってオタ文化自体が拡大していく膨張期でもありました。
自分がこの世界に足を踏み入れたのは、そんな時期だったわけで。
ちょうど中学入学と同時に駅もないようなどどど田舎(前編参照)から、ちょっぴりましな田舎へ引っ越した自分はさっそくアニメ誌を買いあさるように。 (それまでは書店すらなくて、ジャンプも小学校そばの文房具店的な店で買っていた)
まだ自我も定まらずなにかと影響されやすい中学生だったからとはいえ、ファンロードでプッシュされてただけでZABADAKのアルバム買っちゃうくらいピュアだったんですよ、このころは。 ま、案の定ハマったわけですが……。
そして雑誌と同じくらいお世話になったのが、サムライトルーパーに端を発した声優ブーム以来増殖していたアニメ関連のラジオ番組、いわゆるアニラジ。
週末の深夜は布団にもぐりつつ、キングレコードのスターチャイルドレーベルがスポンサードしていた林原めぐみのハートフルステーションやTokyo Boogie Nightを聞くのが楽しみでした。 当時のスターチャイルドと言えば、前述したメディアミックス化の波に乗ってアニソンレーベルでもぶっちぎりの勢いがありもう、一生ついてくね!と思ってましたわ。 今、エロゲーのラジオとか聞いてる中高生もこんな気分なんでしょーか。
ともあれ、歌年鑑でやたらとこの時期の曲が充実してるのはそういうわけです。
そしてオールドアニソンに関しては、一曲フルコーラスで流してくれる『青春ラジメニア』を録音しそのテープを再編集してライブラリを作ってました。いじらしい話ですな、我ながら。 おかげで、この時期にアニソンの基礎知識はひととおりマスターできました。
もひとつ、忘られないのが『田中公平と吉田古奈美の大アニメ博覧会』。
当時から歯に衣着せぬ毒舌トークを展開してたこの番組のおかげで、それまではラノベのイメージアルバム(ガルディーンとかルナヴァルガーとか。後者では歌声まで披露してた)あたりをやってる新進気鋭の作曲家、という俺の脳内田中公平イメージも一気に塗り替えられることに。
吉田古奈美も後にレイアースで海ちゃんを演じてたりと、当時では一番お気に入りの声優でした。 『闘神都市II』もやってたしね!
(後編につづく)
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