鬱病生活記

 表紙
 目次
 はじめに
 第一章

 第二章

 第三章

 第四章

 第五章

 第六章

第二章 精神病院での入院暮らし

1.精神病院生活記

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4/23(木) 7:00頃

【タバコはうまい!】

今朝はとても落ち着いて目が覚めた。
やはり寝る前に薬を飲んでいるせいか、朝が一番調子が良い。

タバコ部屋が開くまでは、まだ、一時間半程ある。窓から差し込む光の下、いつもの本を読み暇を潰していると、ようやくタバコ部屋が開く時刻になった。

タバコ部屋に行く途中、顔を合わせた面々に「おはよう」と声をかける。
青天の空と同じように、私の心は晴れやかだった。

タバコ部屋に入り、タバコに火を点け、一服する。
「うまい!」
調子の悪かった昨日には無かったこの快感が戻ってきた。

やはり、私は病人なのだろう。現実を確かめ、思っていた以上にショックを受けた外泊から戻り、ここに着て数日、心持がだんだん晴れやかになって来ているようだ。

さて、また一服して来よう。
今日一日、晴れやかに過ごせる事を願って。



4/23(木) 9:30頃

【精神分裂は自己防御】

何故、精神分裂(統合失調症と言うべきか?)を起こすか分かってきた気がする。
入院する前後辺りから、私の記憶がちょくちょく飛ぶ様になったのも、そういった物のせいかもしれない。
人間が、どうしようもない怒りや悲しみを忘れる事が出来ず、埋める事が出来ない何かを持った時、肉体的に生きれるようにする為、無意識的に精神を侵すのだ。

ここにいる患者は、何故か皆、食欲旺盛だ。
私は、精神的ショックが大きかった時は拒食的になってしまうのだが、ここに居る他の患者には、それが見られない。
症状から言えば、他の患者の方が余程酷く見えるのに、皆、食事の時は夢中で口に物を運ぶ。非常に当たり前の事なのかもしれないが、そうでない私にはそれが奇妙に見えていた。
私と彼女等の違いは何なのだろうと考えると、私は傷が浅いからではないかと推測してしまう。
もっと傷が深く、理性が働かなくなれば、単純に成り、もっと動物的になり、食欲が出る。

私がペンを握り、この様な事を書けなくなる前に、これを記す。


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