鬱病生活記

 表紙
 目次
 はじめに
 第一章

 第二章

 第三章

 第四章

 第五章

 第六章

第二章 精神病院での入院暮らし

2.現実への対峙

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【別れ話、直接対話】

ここまでで、入院中のブログ形式でレポート用紙に書き連ねる作業は途絶えた。
翌日の彼との対話の結果、落ち込みが激しくなり、外泊を終え病院に戻っても、ペンを握る事が億劫になったのだろう。
よって、ここからは、ホームページとしてそれなりの顛末を迎えるまで、過去を振り返りながら状況を書き加えて行く。


4月26日(日)、この日、彼と二人きりで、彼が出て行ってしまった彼名義のマンションで会う事になった。前日に彼に「会って話がしたい。」と約束を交し、了解を得ていた。
私の父は、昨日から近く(と言っても電車で1時間半位の場所だが)の兄のもとへ寝泊まりするようになっていた。

結局、マンションをどう処分するか、別れのけじめをどうつけるかについては、彼から何も提案が無いままだったので、最低限、それにけりをつけたかった。

「ようやく彼に会う事が出来る。お互いまともな状態で。そして、彼に復縁を迫る事が出来る。」こんな思いが、私を今日まで生かしていた。

午後3時くらいだったろうか、彼から「今、相手女性宅を出て、そちらに向かう。」と連絡が入った。そう、前回の外泊時に私が問題の女性宅から出勤するところを目撃していたので、彼はその女性宅で生活している事を認めていた。

私は、彼に会う時に動揺しないよう「外泊時に何かあったら飲んでください。」と言われ何種類か渡されていた一つの薬を飲んだ。薬の名前は、『レボトミン』と言うものだった。この薬の作用として、「不安を和らげる。」とあったので、これを選んだ。もう一つ、「イライラ落ち着かない気持ちを和らげる。」と言う液体の薬もあったが、別にイライラはしていないので、不安を取り除く方にした。

暫くすると、彼がやってきた。彼が入って来るなり、私は、「未だにあなたの事を愛しています。考え直してください。」と告げた。そして、「必要な物を持って行くんでしょ。まずは、その用意をしてから話しましょう。」と言って、私は居間に座して彼の準備を待った。
彼は自室から衣類等を大きな袋に入れ、準備が出来たらしく、待っていた私の前に座った。私は、「今までの事は水に流すから、戻って来て貰えないか。」と言うと、彼から一言、「重い。」と言われてしまった。そして、彼は付け加える。
「あなたのその優しさが非常に重い。もう、私はあなたと一緒に居る事はできない。」

そう、私の僅かな希望は、ばっさりと切り落とされてしまった。

私はぐったりしてしまい、傍にあるソファーに座って毛布を膝までかけた。
口が乾いて、うまく喋れない。これは、入院中からあった症状だが、どうやらいつも飲んでいる薬の副作用らしい。
その事を彼に告げ、コップ一杯の水を汲んで来て貰うと、私は、ちびちび口に水を含みながら、別れ方について話を始めた。

私は少し攻撃的になっていたかもしれない。「今回の出来事は確実にあなたの責任だ。現に、大量服薬直後のあなたからのメールでは、『今回の出来事は私に責任がある。』と書いてあった。いったいどう始末してくれるんですか。」と問いただすと、「お金はいくらか出すから。」という返事をしてきた。私は即座に、「じゃあ、一億円頂戴。」と言うと、彼は「無理だ。」と即答する。
もちろん、私だってそんな額が適当だとは思っていない。しかし、「お金はいくらか出す。」と言う曖昧なあしらいが非常に癇に障った。だから、こちらとしては無謀だが、こちらの好きな要求を出したのだ。
私は、「だったら、いくら出す積もりがあるの?」と聞くと、彼は「それはあなたが決める事です。」と言うのだ。
・・・・・・訳が分からないのは私だけだろうか?

暫くの沈黙の後、流石に頭に来たのか、私も少し大きな声を出し、「だったら、入院費、親の渡航費、今後の薬代・・・」と言い始めると、「そんなの出せない。」と彼は言う。
・・・・・・訳が分からないのは『レボトミン』を飲んだせいだろうか?

埒が明かないので、私は「今回の件は全部あなたが悪いのは明白。必要だったら裁判をする。」と言うと、彼は「そんな事したら僕は弁護士に全てを任せ、あなたとはもう二度と顔を合わせ無い。」と怒鳴った後、「本当に薬が効いているか?」と呟いて、纏めた荷物を持って出て行ってしまった。

普通、こういう話になったら、大きな声を出して、相手を責め立てるだろう。喧嘩なのだから。それなのに、彼は私が正常でないと感じたらしく、「薬が効いているのか?」等と言う責任転嫁を行う。あなたが悪いと思っている私が怒る事は、普通では無いのか?一般的に、こういう話になったら、感情が表に出てくるものでしょうに・・・。


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