鬱病生活記

 表紙
 目次
 はじめに
 第一章

 第二章

 第三章

 第四章

 第五章

 第六章

第二章 精神病院での入院暮らし

2.現実への対峙

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【まだ退院できない!入院の苦痛】

次の日、5月1日(金)、私は、てっきり主治医の診察があると思っていた。
私の場合は、診察をその都度希望しないと、主治医は時間を取ってくれない。
何度前かの診察で、主治医からは、「もう、とっとと退院して下さい、って感じだね。」と言われていたので、二回も外泊したし、今日の診察で退院の許可が出るものと思っていた。

そこで、看護室に行き、「今日私は主治医のX先生の診断ありますよね。」と聞いた。
私は、外泊直後の月曜日に主治医に対して診察希望を入れていた。そして、主治医が来るのはいつも金曜日。また、前述の様に「とっとと退院の手続きを取りましょう。」と言われていたものだから、てっきり今日それがあると確信していた。

だが、看護師の返答は、「今日、X先生はお休みですよ。」との事。
何と、世の中はゴールデンウィーク。
今日は平日なのだが、おそらく主治医は休暇を取り、長めのゴールデンウィークを楽しむ事にしていたのだろう。
私の入院を1〜2週間くらい長引かせる事に、主治医は何の頓着も無いのだろう。
もしかすれば、入院費を稼げるように、態々長引かせているのかもしれない。

迂闊だった。
私は、もう直ぐ退院だと思っていたので、周りの患者達には元気を装い、この一週間は積極的にコミュニケーションをとっていたのだ。ゴールデンウィーク明けまでのもう一週間、こんな状態を続けるのは、精神的に難しく思われた。


ここのところ朝早く目が覚めるので、夜はなるべく遅くまで起きているように努めていた。
朝早く起きてしまうと、タバコが吸えない苛立ちや、何より、朝っぱらから「何で私は生きているんだ。もう死にたいのに。死なせてくれ。」等と皆に聞こえるくらいの声を出し、廊下を徘徊する老人の言葉が耳に入ってくるのに嫌気がさしていた。(なお、その老人については、当然、他の患者も迷惑している。その老人は、看護師やら患者達に、幾度となく注意されたり文句を言われたりしても、この行動を止めない。)
そして、睡眠薬に慣れてきつつあった私は、寝るのを遅くしても、4時頃には眼が覚めてしまう。ここ数日は、早くに目覚めては、この老人の訴えを耳にせざるを得ない状況に置かれていた。


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