鬱病生活記

 表紙
 目次
 はじめに
 第一章

 第二章

 第三章

 第四章

 第五章

 第六章

第二章 精神病院での入院暮らし

3.精神病院から脱走

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【案外楽に脱走成功】

マンションに戻り、暫らくゆっくりしていると、「このまま帰らないと色々と厄介な事になるだろう。」と考え、「面倒をかけて済まない。」とは思ったものの、“親の強制保護入院”と言う形で入院している私では、私がいくら病院に文句を言っても、患者の戯言として扱われるのが落ちなので、兄の所に居る父に電話をした。そして、事の経緯を簡単に告げ、「当分病院には戻らない。」と宣言した。

変に律義な所がある父は、「流石にそれはまずい。」と言って、私の所へやってきた。
私は、「これまでの入院生活を通じて、色々と病院に対して信頼を置けない対応を受けた。」と具体的な例を上げ、父に告げると、「じゃあ、病院と話し合ってくる。」と言って、父は病院へと向かった。
親の依頼で入院させているのだから、それに異論を唱えるのも親でなければならない。

2〜3時間もすると、父が戻って来て、「とりあえず外泊と言う事になった。」と告げられた。
そして、日曜には帰るようにと、今日の分も含め、その日までの薬を貰ってきてくれていた。


実は、父もこの病院に対する最初の印象が悪かったのだ。私の入院で何やら手続きの説明をされた時、どうも話の内容が的を得ていなくて、しかも事務員の態度もあまり良くなかったらしく、「そんな説明の仕方あるか!」と怒鳴った事があったそうだ。(やはり親子?)
ちなみに、その話が主治医から私の耳に届いた時は、「君のお父さんが面会を求めているようだが、事前に予約を取って下さいと言っているのに、いきなり来て怒鳴ったみたいなんですよ。」と言う話になていた。後に父に確かめたが、そんな事は言っていないとの事。


この日、父が病院に行った際は、病院にいる時間の大半が待ち時間だったそうだ。
漸く、話し合いの場に副理事長と名乗る者が出てきて、意外に低姿勢で対応してきたらしく、穏便に済んだそうだ。
まあ、私の同伴等で何度もこの病院に足を運んでいる父は、「病院はどこもいい加減だな。人を待たせる事を何とも思わないところだ。」なんて諦め半分の愚痴をこぼしていて、この病院に対してもいくらか寛容になっているようであった。


少し話は飛躍気味かもしれないが、本当に、医学会や医療機関の腐敗には、目を覆いたくなる事がある。一般の会社のように適度な競争が無いものだから、サービスなんてそっちのけでも患者はやってくる。
いい金儲けの事業だ。
特に、医療ミスで訴えられるリスクが低い事と、机と椅子だけあればすぐに開業でき、患者に対してはマニュアル通りの薬を適当に出していれば成り立つ、精神科や心療内科などと言う分野は、今のこの時期、金儲けを第一に考えている魑魅魍魎が集まっている事だろう。

私の入院している病院は、サービスレベルや事務の効率化など、まだまだ赤点状態だが、それでも悪徳の域まで達していないので、今後もそれなりに付き合って行こうとは思っている。

でもとりあえず、今回色々と不満を覚え、私は病院を自分の意志で脱走したのだった。


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