鬱病生活記

 表紙
 目次
 はじめに
 第一章

 第二章

 第三章

 第四章

 第五章

 第六章

第二章 精神病院での入院暮らし

3.精神病院から脱走

<前へ> P.53 <次へ>


【外泊時の過ごし方(土日)】

外泊でマンションに一人で居る時は、とにかくテレビのスポーツ観戦や音楽DVDを観る事で、脳の活動を逸らせて余計な事を考えないようにし、時間を潰した。
脳を制御する事が、これ程困難なものだという事を痛感した。
何もせずに居ると、勝手に頭が働き、気持ちが悪くなる。
どこかの学者が残した「人間は考える芦である。」との言葉が、変な嫌味に感じる。


私が飲んでいる薬は、夕食後の『デパス 0.5mg』、就寝前の『パキシル 20mg、ハルシオン 0.5mg、サイレース 2mg』と言うものである。
夕食後に飲む『デパス』とは、ある診察の際に主治医に「夕方頃になって来ると、落ち着かなくなる。」と訴えた時に追加してもらった、『精神の緊張や不安を和らげる』作用の薬。
就寝前の『パキシル』は坑鬱剤で、『ハルシオン』と『サイレース』は睡眠導入剤と睡眠持続薬。

私には、朝に起きてから夕方の『デパス』を飲むまで、どう時間を潰すかが課題だった。
薬を飲むのが待ち遠しく、不安な気持ちを紛らわせる作業を探す事が大変だった。
『デパス』を飲めば、それなりに効いているらしく、気持ちが楽になり、就寝前の薬を飲む午後11時くらいまで、それなりに過ごせる。
就寝前の薬を飲んでしまえば、更に楽な気持ちになり、午前1時〜2時くらいには、眠りに就く。

それでも土日は、まだ過ごしやすい。
日中にサッカーや野球やゴルフ、そして、必ず競馬のテレビ中継があるので、それらを見ながら過ごす事が出来る。
それなりにギャンブル好きな私は、大学生時代に競馬を覚えていた。
それからは、特に賭けなくても、馬が走っている姿を見ることが好きになっていた。

きっと、スポーツをする事は、精神衛生上も良い事なのだろう。
体を動かしてヘトヘトになれば、脳に血も回らなくなり、楽になる。
本当は、そうやって運動するのが良いとは思いながらも、何処か億劫で、そんな行動は出来ない。

5月9日(土)と5月10日(日)は、そんな感じで過ごしていた。


<前へ> P.53 <次へ>